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経営課題等の解決に向けた取組事項、その手順及び期間
- 最適CAD/CAMシステムの選定 (平成15年7月〜平成16年2月)
- 参加企業に設置されているNC工作機械や制御装置の調査 (平成15年9月〜平成15年12月)
- 遠隔操作のできる環境整備の調査・実験 (平成15年10月〜平成16年1月中旬)
- 企業が有する製造品の図面の入力とコンピュータ図面作成の検討 (平成16年3月)
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事業実施の経過、その経過途中で生じた問題及び対応
委員会を設置し、1ヶ月1回の割合で委員会を開催し事業を進めていった。
第1回目の委員会では事業の概要説明、意思の統一と今後の方針を自由意見により検討した。
第2回目からは下記の項目について検討した。
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1. |
当面の目標の設定
NC工作機械は多種類の工作機械(切削加工、プレス、放電加工等)で使用されているが、中小企業において使用台数が多く、かつ複雑なプログラムを必要とし、大きな市場が期待できるマシニングセンターとフライス盤に応用できるミーリング加工を当初のターゲットにし、その中でも特に使用工具の種類も多く、プログラム作成に多大な時間を要し稼働率の低い2.5次元加工を目標にした。
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2. |
CAD/CAMシステムの選定
当事業の中心となる設備、CAD/CAMシステムの機能説明と実演を7社(WinMAX, ESPIIT, SURFCAM, MasterCAM, φSTATION-E, GOELAN, Virtual Gibbs)から受けた。 これと並行して、現状を踏まえたNCプログラムの利用条件の整理に関する検討も行った。
紙図面の取扱い、ミーリング加工のなかでも初期対象機種、参加企業の所有する工作機械と制御装置での実験可能機種を調査した。
紙図面では、その内容をコンピュータ上に移転する必要があり、ここでの時間浪費が多く、誤りの発生率も高いので、スキャナーによる反自動図面取り込みも検討した。
さらに、プログラム販売先の受け入れ環境整備と利用者との責任分担なども検討した。
CAD/CAMシステムの選定には慎重を期すため4回の委員会で検討した。
その結果、第1次選考としてSURFCAMとGOELANに絞り、実験結果もふまえ、希望事項を仕様書にまとめ、ネットワークシステム構築の可能性と価格に関する回答を得、委員会で基本的な使用システムをGOELANに決定した。
この作業と平行して委員がネットワークを利用して、CAD/CAMシステムを利用できる通信の実験(情報伝達精度と伝達速度)を行い、この可能性を確認した。
通信は山口ネットワークと三和工機との間で行い精度と伝達速度(ADSL利用で下り2Mb)を確認した。
その他、初期の実験対象になる会員企業の所有するNC工作機械や制御装置についてアンケート調査結果をもとに、事業の方向性を決定した。
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3. |
システム導入後の作業
平成16年3月8日にシステムを導入し、3月19,20,21日の3日間に亘り、参加企業のオペレターを養成するため、システム使用法の講習会を開催した。
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4. |
新会社設立
平成16年3月20日の委員会で当事業の今後の継続的な発展をについて検討し会員企業6社で新会社を設立する方針が出た。
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事業実施によって得られた効果
本年度事業では、参加各企業がネットワークを通じて最先端のCAD/CAMシステムを利用し、自社のNCプログラムを作成できる基盤ができた。
これにより、自社の合理化は勿論のこと、各企業が営業所となりNCプログラム販売の拠点になる基礎技術の確保もできた。
また、委員会形式で互いに協力し、1つの目的(事業)に取り組んだことにより、企業間の信頼性が増し、情報交換がスムーズになりグループ活動の副次的(副産物的)な効果も得られた。
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