平成15年度戦略的情報化モデル事業事例
1 採択テーマ
 ITを利用した納期の短縮・工程管理・加工ノウハウの標準化・データ化、並びに従業員の意識の向上
2 事業実施者の概要
名 称 岡本産業株式会社
所在地下松市南花岡5丁目2番1号
代表者代表取締役  岡本 哲
営む主な事業半導体製造装置部品、車両部品、ポンプ部品、各種試験片の製作
資本金1,000千円
従業員又は構成員数9名
3 事業実施前の問題点
当社で保有している工作機械はそれぞれメーカー、制御機が違い、プログラムの標準化が図れていない。
各作業者は図面を受け取った後、加工手順、方法を検討しプログラム作成、加工段取り、工具段取りを行った後加工しているが、プログラム作成、加工段取り中は工作機械が止まった状態になっている。
また、作業者により加工方法や加工条件が違う等、標準化が図れておらず、汎用性の高い加工工具までそれぞれ持ち各作業者が管理しているため、経費の無駄になっている。
従業員の意識が加工時間の短縮、加工コストの低減、必要とされる品質レベルの認識等にまで及ばず、図面通りに加工することにだけ向けられている。
機械加工業者はコスト競争に陥っているが加工コストの削減だけで生き残ることは将来難しくなると思われる。
4 事業で目指したもの
見積から納入、請求までの正確さ、事務効率向上。
受注した機械加工について材料手配から納品までの期間短縮。
加工図面をCADデータで受け取り、ホストコンピュータでNCデータに変換し、各工作機械に供給することで、加工手順、方法の標準化を図ると共に、加工プログラム、データをホストに保存しデータベース化を図る。
加工工具を一括管理し、在庫状況を把握し、経費削減を図る。
一連のIT化を進めることで、機械のオペレーターであった従業員を品質、コスト、材料、加工方法を考慮できる技術者とする。
5 経営課題等の解決に向けた取組事項、その手順及び期間
CAD/CAM調査選定 (平成15年8月〜平成16年3月)
 現状の各加工工程での情報伝達方法の調査分析
機械装置の現状調査 (平成15年8月〜平成16年3月)
 制御機、稼働率等の調査分析
工程管理方法の検討 (平成15年8月〜平成16年3月)
 納品までの手順調査分析
工具管理方法の検討 (平成15年8月〜平成16年3月)
 現状調査、分析
従業員意識改革のための勉強会を実施
 (平成15年10/8、21、11/11、12/9、平成16年1/13)
労力 工程管理、工具管理、原価管理、受注データベース等現状の整理まとめ作業
とりまとめ資料を基に委託業者との打ち合わせ、機械インターフェイス等調査協力
一部接続のための機器仮置き
勉強会開催準備及び資料づくり
社内ミーティングを必要時に実施した。
6 事業実施の経過、その経過途中で生じた問題及び対応
見積基準、原価分析、加工単価計算 →
原価構成表、加工単価計算表、損益管理表作成
受注データ、初期手配と工程管理 →
受注データベース再確認、納期、進捗度情報提示方法の検討
工具管理、多能工化 →
工具管理方法変更案検討、多能工化推進方法検討
CAD/CAM化 →
導入前調査実施
上記を同時平行作業
取り組むべき事項が複数平行していたので、手を付ける順位付けが十分できていなかった。
7 事業実施によって得られた効果
 受注から納品までの従業員に対する情報提供の方法、従業員からの情報収集の方法の検討ができた。
 受注から初期手配、加工計画・管理の役割分担への取り組みに着手できた。
 加工コストの認識、機械稼働率向上意識が高まった。
 従業員に対し複数台操作の必要性、空き時間の自主的作業の必要性の理解が深まった。
8 事業実施者における今後の課題と予定している取組内容
受注状況、納期、加工状況等の情報提供、収集の定着、癖付け。
コスト意識の徹底
多能工化に対する評価基準づくりと理解の徹底。
以上については準備中(着手済み)
平成16年度中にLAN化を進め、NCデータの一括管理への移行の予定。
9 他の中小企業者等に対する助言等
 IT化をスムースに進めるためには、今の情報の流れ、問題点を整理した上で取り組む必要がある。前段階で十分時間を掛けて意識合わせ、問題点の洗い出しをしておかないと実際の運用時に使いにくいものになってしまうのではないかと思う。
10 事業に対するお問い合わせ
【 事業者名 】岡本産業株式会社
【 担 当 者 】代表取締役  岡本 哲
【 電話番号 】0833−44−0003

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Last updated on Sun, Aug 1, 2004