組合質疑応答集
 Q−36総代及び総代会に関する質疑
Q−36−(1) 総代の代理権とリコールについて
Q. 私の所属する事業協同組合は、県一円を地区としており、組合員数も多いため総代会制を採用しています。私も総代の1人に選ばれており、これまで総代会には必ず出席していました。しかし、先日開催された総代会には、どうしても都合がつかず、妻に代理人として出席してもらいました。総代会から帰ってきた妻に聞くと、妻は代理人にはなれないといわれ、傍聴だけをしてきたとのことです。私は妻は親族なのだし、委任状も持たせたので代理人としての資格は十分あると考えていました。親族であっても代理人にはなれないのでしょうか。また、せっかく総代に選ばれながら、総代会に出席しなかったことを理由に、総代をリコールされることはありませんか。
A. 総代会は、組合員数が200人を超える大規模な組合において、定款の定めにより総会に代わって最高意志決定機関として設けることができる制度です(組合法第55条)。総代会の構成員である総代は、組合員数の10分の1以上(組合員1000人を超える組合は100人以上)の確定数を定款で定め、1人1票の無記名投票により組合員の地域的分布、業種構成などに応じて組合員を適切に代表するよう組合員のなかから選ばれます。
総代会については、総会に関する規定が準用されています(組合法第55条第6項)が、代理人の範囲と人数については総会よりも制限されています。総会においては、その組合員の親族若しくは使用人又は他の組合員が4人まで代理することができます(組合法第11条第2項、第4項)。しかし、総代会において代理人となれるのは他の組合員のみであり、人数は1人だけです(組合法第55条第6項)。総代会制度のもとでは、総代は組合員の代表者であるという性格から、代理人は親族や使用人よりも自らが代表した他の組合員(他の総代でもよい)であることが適当といえるからです。また議事の責任ある運営を確保するため、代理しえる人数についても総会における場合より制限が加えられれています。
このように、総代会においては組合員の妻は「他の組合員」ではないので代理権はないということになります。総代に選ばれた人は、総代の性格を十分認識する必要があります。なお代理人の資格を更に限定して例えば他の総代にのみ代理人資格を与えることは、定款の規定に委ねられている事項ですから、定款でそのように定めれば可能です。
次に総代のリコールについてですが、組合法には何ら規定していません。組合法第41条では少数組合員の権利として役員改選の請求を認めていますが、これは役員を総会における選挙または議決による選任により選出することとした趣旨を徹底させ、組合の民主的運営を確保するためです。つまり役員は組合の業務執行機関として組合の事業運営につき最も重要な地位を占めるものですから、役員の業務執行が不当であるときは、総組合員の5分の1以上の請求により任期中でも改選できることとしたものです。
一方、総代については役員と同じく選挙によって選出されることになっていますが、総代は法律及び定款に定められた範囲内の事項について総会に代わり組合の意思を決定する総代会の構成員であり、組合の業務執行の責に任ずるものではありません。また、総代会制を採っている組合にあっても、組合員には第47条の規定により総会の招集請求権が与えられていますし、総代会制度そのものが組合の定款により自由に存廃できるものです。
このような点から考えますと総代について組合員に改選請求権を与える必要は特に認められず、現行法上明文の規定もありませんので、組合員による総代のリコールはできないものと解されます。 (91-2)
QA項目へ戻る

ホームへ

Q−36−(2) 組合員数が201名を割った場合の総代会の存続について
Q. 私どもの組合では、200名を超える組合員を擁していたため、設立当初から総代会制を採用してきました。しかし、経済情勢の変化等の諸要因により、組合員企業の転・廃業が相つぎ、現在組合員数は200名となり、総代会の存続要件(200超)を欠いてしまいました。今後もさらに、組合員の脱退があることが予想されることから、新規加入者の勧奨努力は行ってはいるものの、当分の間は存続要件を満たすことは難しい状況となっています。
このように、組合員数が200名以下に減少した場合、定款は総代会のままとなっていますが、総会と総代会のどちらを開催すればよいのでしょうか。
A. 総代会に関しては、中小企業等協同組合法第55条(中小企業団体の組織に関する法律では第47条で準用。)に規定されていますが、企業組合、協業組合を除く組合は、組合員総数が200名を超える場合には、定款の定めるところにより、総会に代わるべき総代会を設けることができることになっています。
貴組合では、既に組合員数が200名となっており、総代会の存続要件(200名超)を欠いているので、総代会は設置しえない状態にあります。
これは、たとえ定款により総代会を設けていても、組合員が減少し、法定数に達しなくなったときは、総代会は当然に機関としての機能を失うこととなるからです。
したがって、現行の定款が総代会規定のままになっていても、現在の状態が続く限り、議案審議は総会で行うこととなります。
そのため、現在、組合の実態と定款とが一致していないわけですから、総代会制廃止にかかわる定款変更を行うか、あるいは、すみやかに組合員を増加して存続要件を満たすことが必要となります。 (88-12-1)
QA項目へ戻る

ホームへ


Copyright(c) 2000.2.山口県中小企業団体中央会. All RightsReserved.
Plan , Authoring & Design :山口県中小企業団体中央会
Last updated on 2000.2.1