元気力発言所!

「私の経営理念」 株式会社プラウド 代表取締役社長 森 敏一

 明治維新以来日本の産業は一次産業から高次産業へとものすごい勢いで20世紀を突き進んで参りました。
 しかし、これ以上は高次産業を優先させて経済活動という酸化現象を続ける訳にはいかなくなってきております。環境という還元物が底をつき、世の中が中和できなく成ってきている中で、あらゆる産業が環境問題という高いハードルを越えなければならなくなっております。
この問題に最も近い産業が一次産業であり、特に農業がその基点になっていくものと考えられます。
 山口県は日本海と瀬戸内海に囲まれ、韓国、中国にも近く、特に下関は水産物の宝庫として知られております。しかしながら、ここ数年近海物の水揚げは激減し韓国からの輸入もほとんどなくなり、中国にシフトしているものの年々減少しているのが現状です。
 農業の土のミネラルをいかに確保できたかによって漁業が支えられているということにようやく気付き始めてはきてるようです。
 日本の縦割り行政の中で農業と漁業とが分離独立して運営され、あたかも業界が違うかのような印象を与えてまいりました。自然保護をうたい文句に経済優先の針葉樹林の植林を進めたため、土にミネラルを補給する落葉樹林が減り、花粉症といった問題も引き起こしております。
 江戸時代までの古来日本式農業技術は、本当にバランスよく自給自足の日本を支えてまいりました。そのノウハウは、今も脈々として日本の農業に引き継がれています。資本主義体制自体が危ぶまれている21世紀時代に則した農業を模索しなければ成りません。狭い国土で効率よく作物を生産する日本式農業技術を広大な国土を保有する諸外国に輸出することによって、その見返りにその地で生産された食物を輸入するといったバーター取引が可能になるかも知れません。
 本来人間は共生的生き方が出来れば自給率がどうのこうのと議論する必要はありませんが、国境ボーダーレス時代の到来がまだまだであれば日本人の食料は日本人の手で作らなければなりません。そういった意味では一次産業に依存している山口県は21世紀を捕らえ、一次産業主導型の高次産業との共生的産業構造を作り上げることにより、日本の将来を左右する存在に成り得るものと確信致します。
 私共は、「愛、調和、互恵」を基本理念として感動を分かち合える共生的21世紀型経営を目指します。
(収録日 2000.2.18)

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Last updated on 2000.2.21